憲法は、現実に基づかなければならない。
理想ではない。
実現すべき原則を明文化したものである。
国民が守らなければならない法源である。
国民を守るための掟である。
建国の理念であり。国家の礎である。
国法の根源であり。嘘、偽りがあってはならない。
冷徹なる哲理である。
幻想や妄想の入り込む余地はない。
自由にせよ、平等にせよ、それが実現できるという裏付けがあって成り立つ。
憲法が、よって立つのは、事実、現実なのである。願望ではない。
守れることのできない憲法は、守るに値しない。

憲法は、国民を守るための掟である。
では国民を、何から、誰から守るのか。
それは、敵や災害から守るのである。
敵とは何か。
外からは、我が国を侵略しようとする者。
内からは、我が国の治安を乱す者。
いずれにしても、理不尽な力で国民の権利を侵し、隷属、屈服しようとする勢力である。

自衛権を認めない憲法は要件を満たしていない。
なぜなら、主権と独立は自国で守るのが大原則だからである。
自力で主権と独立が守れなければ他国の保護化に入らざるを得ない。
それは、隷属を意味する。
独立国とはみなされない。
自主、独立なんて世迷言。
独りよがりにすぎない。
自分の国の主権と独立は自分たちで守る。

自国が武装を放棄すれば、他国もそれにつられて武装を放棄するなんて幻想にすぎない。
スイスは、永世中立を実現する為に重武装をしている。
平和憲法を強要したアメリカでなぜ、銃を所持するのは権利だとされるのか。
共産主義国は、軍事大国化するのか。
それが、現実であり、事実である。
敵対する国を無力化するのは、当然の戦略。

他国の情け良識にすがるようでは、国の独立は守れない。
自分の国は自分で守る。

自分が、武装を放棄すれば、世界中が、武装を放棄すると本気で考えているとしたら。
それは宗教的な盲信でしかない。
仮に、国民にそのような妄想を抱かせたとしたら、これほど罪深い事はない。
そんな事を本気で無条件で信じられるとしたら、余程、楽天的で、能天気で幸せな人だ。
多くの人は薄々気がつているはずだ。
ありえない幻想だと。

誰も信じていない事を、真理であるかの様にふるまうのは、もはや、犯罪行為だ。
それでは、糺すこともできない。
嘘を嘘で固めているのだから。

洒落や冗談で言っているのではない。
それで、国の命運が定まる。国民の命がかかっているのだ。
この国の政治家は、国民の生命財産にかかわる大事だというのに、どこか他人事だ。

この国のおかしなところは、天下の公党が、現実離れした妄想を、あたかも、大前提であるがごとく語る事である。
過去のおいても、野党の党首が違憲合法なる珍妙な意見を言い出す。
合法と押し通すくらいなら、憲法を改正すべきである。
戦争は、相手がある。自国が望まなくても相手が侵略してくれば、戦争になる。
それが現実である。

自国は、争いに巻き込まれたことがないから、争いなんてよそ事で。
これまで平和だってからこの先も平和でいられると。
平和な世の中は理想かもしれないが。
平和を支える戦士がいない世は理想とはかけ離れている。
昔、真昼の決闘という映画があったが。
保安官がいるから、悪党が蔓延るわけではない。
平和は、守らなければ、実現しないのである。

医者がいるから病気になるわけではない。
消防士がいるから火事になるわけではない。
警察があるから、犯罪が起こるわけではない。
犯罪が嫌だから、警察をなくせというのは、お門違い。

どの国の警察も権力の手先になるわけではない。
多くの国で権力者の不正を糺すのは警察である。
重要なのは、その国の体制である。
国民国家で、体制を作るのは国民である。
その根本にあるのが憲法である。
憲法が虚構なら、その国の体制も虚構になる。

平和な時は、自分たちを命がけで守てくれている者を嘲り。
いざとなったら、役立たずと罵る。

それでも勇者は、この国を守ろうと志す。

この国には、まともな戦略がない。
戦略が立てられないのは、内向きだからである。
広く世界に目を向けなければ、戦略なんて立てられない。
内輪の評判に囚われて、外に目を向ける勇気がなければ、日本という国を世界の中に位置づけられない。
ただ、向こう三軒両隣の世界で政治を語る。

隣近所の目を気にして、都合の悪いことから目を逸らすだけ。
最初から、国などという意識すらない。
国家などというと、お前は右かと虐げられる。
天下国家など恥ずかしくて論じる事さえ憚れる。
そんな事では、国士など現れようがない。

狭い料簡では、どこの世界へ行っても通用しない。
井の中の蛙と嘲笑われるだけだ。
見せかけの平和に胡坐をかき。
ありもしない空想、夢想を大前提として議論して。
それでも、この国では、堂々と罷り通る。

戦争は嫌だ。
だけど、戦争は嫌だというだけで戦争がなくなるわけではない。
実際、戦争を未然に防いでいるのは自衛隊だ。
反戦平和というが。
しかし、反戦平和を実現するには、国民も政治家も、現実を直視しようとしなさすぎる。
戦争も現実なら、平和も現実なのだ。

来たらずをあてにせず。
世界の現実を直視するしかない。

憲法は理想ではない。
現実に実現すべき建国の理念である。
憲法は、国民の権利、生命財産、国家の主権と独立を守る事を目的とした、国家に対する国民の誓約、契約なのである。