当時の漫画こそ、啓蒙的で、世の中の思惑に囚われなかった。
軍国主義だって、帝国主義だってある意味許されたし、何でもありあり。
要は、漫画だからですよ。
アナアキー。
子供は、そこから、何かをかぎ取っていた。
だから、時には、PTAや学校を敵に回して。
でも、子供たちのヒーローは、漫画家でしたよ。
永井豪とか、谷岡安治、山上たつひこ、赤塚とか。
ちばてつやの「紫電改の鷹」や、横山光輝の「鉄人28号」「影丸」とか。
黒鉄ひろしなどね。
そして、子供たちは大人になっても漫画から離れなかった。

でも、漫画家も成功するとね。
大衆に迎合するようになる。
今はもう商業主義ですね。
文学だって、芥川賞だって、直木賞だって。
本物が駆逐される。
日本映画だって、面白かったのは、手作りに時代。金のない時代ですね。
ゴジラだって。
制約があるから、工夫があるので。工夫があるから創造的で活力がる。
金持ちになってからの小説や映画、テレビの方が貧しく思える。
テレビだって、怪傑ハリマオとか、月光仮面とか、少年ジェットとか、ウルトラQとか。
今見たらわらちゃうんですけどね。
おかしなもんですね。

たかが漫画。されど漫画ですね。