ウクライナの大統領は、政治家としては、経験が浅く未熟で素人だからこういう事態を招いたとか。
芸人あがりだからとか。
不必要に、ロシアを刺激したからといった類の事を、公の機関を使って発言する人がいるが、はなはだ、的外れ、見当はずれ、恥知らずな発言である。

先ず、芸人上がりというのは、職業差別の最たるものであり。
芸能人から政治家に、更に、首長になった例は、あまたある。
それこそ、豊臣秀吉は、農民あがりであり、田中角栄も庶民の出。
レーガンもシュワルツェネッガーも俳優だった。東国原、青島幸男もタレントだった。
また、経験が浅いとか未熟というのは、はなはだ、傲慢な事。
エリート意識、貴族主義むき出しな発言でしかない。
素人というのなら、では、政治のプロとは何か。
逆に、近年、政治のプロ化、世襲化が問題とされてきたのではないのか。
そう言った、根本的な事を無視して、経験が浅いとか、素人だとか謗るのは、見識が疑われる。

不必要に、刺激したとかと言うのは、まったく、お門違い。
国家の何たるか、本質は何か。わかっていない。
特に、国民国家を理解していないという事を露呈している。
国家は、主権と独立が守られてはじめて成立する。
国民国家は、国民の権利と義務が保証されることで成り立っているので。
他国に、遠慮したり、おもんばっかて自国の国益を主張できなくなるのが、問題なのであり。
国民の権利と義務が他国によって侵害されたら国家の独立は保てない。
国家の首長は他国とうまく立ち回るのが仕事ではなく。
いかに国家の主権と独立を守るかが使命である。

他国を恐れて自国民の権利をないがしろにするのは、隷属主義であり、植民地主義である。
ウクライナは、自国が独立するに際し、核兵器の保有を放棄した経緯もあり。
その点を考慮しても、論外である。
自らの、不見識、敗北主義を露呈したに過ぎない。

ウクライナを中立化するか、非武装化するかは、ウクライナ国民が、決める事で、他国が干渉すべきことではない。
ウクライナを緩衝国としたいというのは、大国の都合でしかなく。
その様な大国の都合を振り回す事自体、主権と独立を認めていないという証左。
その様な事を堂々と言うのは、国民国家の本質を理解していないからで。

日本は、いつの日か、その問題を突き付けられることになる。
その時、日本人は、日本の主権と独立について、自分たちで明確にしなければならない。

人には、命懸けで守らなければならない事がある。
命をかけてでも守らなければならない人としての尊厳、誇りがある。
それをわきまえて、言葉を発するべきである。