結論、指示が出たら、速やかに、仕事にしろと厳しく言われたもので。
仕事にするというのは、作業に置き換える事を意味するので、
作業に置き換えるというのは、行動に移す事を言う。
要するに、口を動かさずに体を動かせて言う事。
だから、我々は、動きを見て指導された。

そして、その場、その時にでないと正しい指導はできないと言われてきた。
目の前でやらせて、その場で正せと。
「黙って、やれ。」「いつまでも口を動かしていないで、手を動かせ。」とか、「しゃべっているいないで仕事をしろ。」とかね。

仕事は、言葉に基づくより、情景を思い浮かべる事に基づいて展開していく。
それが、考え方を共有していくという意味で、どんな情景が思い浮かぶとか。
誰と、どこで話をしているのをイメージしているとか。
何をやっているのを添えていしているみたいな。
例えば、会議室にいる情景。それとも、自分の家でモニターを見ているの。
応接室にいるの、一人。
誰かと居酒屋で話をしているのが浮かぶとか。
モニターが浮かぶなら、何見ている。
バイソン、それても、R、エクセルみたいに。
そういう実際の情景から行動、行為、つまり、作業を洗い出していく。
いいとか、悪いとかではなくて、頭の中にあるお互いの情景を一致させていく。
言葉や数字の羅列から作業を割り出し、洗い出せる人いないわけではないけど、かなり特殊な能力だし、共有するのが難しいと思っていい。

仕事、共同作業をする上で、動きや状況が想定、設定できるかが鍵。情景を共有できるかが…。

だからさ、僕らは、動きを見て注意されたんだよ。
声を出せとか、メモを書いたかとか、部下を集めたかとか、いつ伝える、報告したかって。
外から帰ってきて、上司を素通りして、自分の席に戻ったら、報告はどうしたって怒鳴られた。
内容より、動きをね。その代わり、内容は任された。
最初は、嫌だけどね。
若い時は、うざいなんてね。
今は逆。動きは注意されないけど、内容をいじられる。
その方が嫌だけどね。後々、困る。面倒くさいし、迷うし、責任が負えなくなる。

わかっていない上司は、御託ばかり並べて、肝心な事が、教えられない。

僕たちは、手順、段取り、動きを注意された。
仕事の考え方、やり方は、尊重して任せるよう指導された。
その代わり、手順や、段取り、基本動作は、責任をもって躾けるよう厳しく戒められた。
今の、指導者は、基本を馬鹿にしているくせに、相手の考えを尊重せず平気で干渉する。
駒の動かし方は、教えられても、勝負は、教えられないんだといわれたものだ。

素人とプロの違いは。基本ができているか、どうかさ。

支度や準備は、自分でするものだよ。
前日に支度をしていないで失敗したら、自分が悪いんでしょと後始末は自分でさせられた。
自分で段取り、お膳立てもせずに、何も指示してくれないなんて言うのは恥知らずだよ。
指示できるように、決定できるように、準備するのは、部下の仕事なんだからね。
決定権者が、決断できるように準備もしないで、決めてくれないはないだろ。
文句を言う前に、基本を身につける事だな。

基本を指導できずに、批判ばかりして、部下に楽する事覚えさせたら。
部下は、守り切れないよ。勘違いするな。
子供を我儘にするのは、親の責任。
子に楽する事を覚えさせて、後で一番、苦労するのは、子供だよ。
自分で、自分を守れるようにする。
それが、守るという事だ。
守ってくれなとい甘えていたら、いつまでも自分を守ることができない。
いつまでも、いつでも、傍にいる事はできない。
自分を甘やかす上司は、本当に部下の事を思ているわけではなく。
残酷、冷酷な上司だよ。自分の事しか考えていない。
本当に、部下の事を思う上司は、将来困らないように指導するものだ。

実務屋は、作業に置き換えて話をする癖があるから、開口一番でどの程度の力があるか、一発で見抜かれる。
だから、実務屋は、ものすごく用心して話をするよね。
開口一番、批判したり、反論したり、評論したり、的外れの事言うと、恥をかくから、確認から入るのが常だよね。指示された事も言われた事を確認する。わかってますではなくてね。
基本的、手始めは、自分たちが、わかっている事、できる事の確認か入るから、リサーチがとったんだよね。調べる、確認する事から始める。それがプロ。
知ったかぶりすると、推測、憶測で話をするなって怒鳴られた。
厳しかったよ。
今は、いきなり、結論出そうとしたり、講釈たれたりしたら、外でしろと追い出されたけどね。
昔は、そんなことすること自体、恥だと言われたよ。
恥ずかしいと…。

それなのに、結論が出ているのに、いつまでもペチャペチャ。

何が出来て、何ができないか。
何がわかっていて、何がわかっていないか。
結論は出せないけど、調べる事はできる。
昨日の事は、わかるけど、明日の事はわからない。
試合の結果はわからないけど、何を練習したらいいかはわかる。
基本は、心構え、支度、準備、後片付け、掃除、道具の手入れ、前処理から覚える。
勉強には、手順がある。その手順そのものが学習なんだ。
基本ができていないことを、指摘されたからと言って、一々頭に血が上っていたら成長はしないよ。
いきなり、高度の技術を身に着けようというのは、無謀なんだよ。
練習もせずに、いきなり試合なんて、プロはしないの。
それに、作業は、基本的に即物的なんだよ。

結論が出ているのに、いつまでも話しているとどやされたよ。
「いつまで無駄話しているんだ。そんなことしていたら敵が攻めてくるぞって。」
命がけなんだよ、仕事は。

決定や指示が出て、仕事に、結び付かる際、一番難しのは、仕事の入り口までもっていくことなんだ。逆に言うとここが、マネージャーの腕の見せどころ。
正式に仕事をスタートするまでは準備期期間になるから正式には組織は動かない。正式に関係者に、指示が出ないと組織的な仕事は始まらない。
正式にスタートするための場を設定する事が、最初の仕事になるんだけど、どこに落とすか、例えば、直径の部下、足下を固めるところからスタートするのか、関係者を集めるのかを決める。
場というのは、基本的には、会議打ち合わせの場だよね。
仕事にするというのは、指示や決定を作業に置き換える事で、最初の作業指示をどう出すかだけど、この辺は、難しく考えないで、部下なら、作業指示や決定事項を口頭で伝えて筆記させて、それを、清書させてもいい。要は、一人仕事を、共同作業に置き換える事だから。

僕は、共同作業に置き換えるというカギは、操作性と視覚性にあると言ってるんだけど、要するに、皆で同じものを見て、一緒に作業できるようにする。

具体的に場面を設定して、人や机の配置を考えて、役割を決めていく。
そうする事で、はじめて主旨目的が伝わっていく。
皆の意志がかみ合っていくんだな。
話だけでは伝わらないよ。

会議や打ち合わせのスタイルとしては、自分が前に出て説明する、講師型や、レポーターを決めて自分は、調整役に回るとか、会議の目的によって設定を変えるんで、その辺は、具体的な策を示されてはじめて相談になれる。目的とは何ぞやとか。何が、何してなにして、なんとやらでは伝わらない。
まあ、一人で悩まない事だね。ただ、相談する人、間違うと混乱するからね。
作業に落とせない人は、基本的にわっかていないんだよ。

それぞれが、それぞれ分担して適切な行動をするためにはどうしたらいいのか。
それを、事前にハッキリさせて、何があっても困らないよう手筈を整えておく。それが仕事。
いざと言う時どうしていいかわからないでは、皆が困るんだからな。

キャッチャーが、走っていて外野フライを捕球するなんてありえないだろう。
そんなことを考えるのは外野手を信用できないと言ってるようなものだよ。
試合中は監督の指示に従う。当たり前だろう。
選手は、自分勝手に、自主的に守備についるわけではないの。
試合中は、ベチャベチャ試合以外の事は話さない。

打ち合わせは、必要最小限のメンバーでする。
誰を出席させるかは監督が決める。
余計な事は言わない。
余計な詮索はしない。
くだらない質問はするな。
言わすもがなな事は聞くな。
子供でもわかる道理だよ。

大将が馬引けと言われたら、馬を入り口まで引っ張っていくのは小姓の仕事なの。
大将が馬小屋に行って引っ張り出すわけではない。
大将に轡を持たせて自分が馬に乗ってどうするの。
大将を弾除けにする気。
今は、小姓が大将に馬の世話をしろと言いかねない。
昔は、度外れた事を言ったら、「お前、いくつになった。」と聞かれたものだよ。
客が、包丁を研いでくれないから、料理ができないなんて言う、料理人はいないの。

会社は仲良しクラブではないの。
甘ったれた事、言ってないで、いい加減、仕事しろよ。

施主の話を聞いて図面を書くのは。設計士の仕事。
設計図に基づいて工事を手配するのは施工の仕事。
現場の職人や工事人を差配するのは、監督の仕事。
実際に壁を塗ったり、柱を立てるのは職人、工事人の仕事。
施主に向かって「あんたが差配しないから、職人が働かない。」なんて言う現場監督はいないの。
施主が、壁の塗り方わからないと、へそを曲げる職人なんてのもいない。
むしろ、職人に直接指示を施主が出す事なんて、普通の現場監督は、絶対許さないよ。
選手の起用にオーナーが嘴を入れたら、辞表を書いた、野球監督がいたじゃあない。
だからといって、施主に向かってあんたの言う事なんて誰も聞かないなんて嘯く監督がいたらすぐにクビになる。
仕事なんだからね。
仕事と割り切れなければお終いだよ。人生がさ。

行動に置き換えるというのは、何かをやる。
その何かを速やか指示を出すのが、管理者の仕事。
口や目や耳、頭でなく、手、足を動かす。
書く、持つ、走る、投げる、運ぶ、歩く、集める、打つ、スイッチを入れる、声を出す、調べる、横にする、車を運転する、機械を前進させる、電話をする、メールを書いて送信すると言った一連の動作に置き換えるのを仕事にするというの。
決められた事や、指示された事を一連の動作に置き換えるのが、現場責任者の一番の仕事。
結論が出たというのに、いつまでもペチャペチャ。
後でどうする事にしたと話をされていた相手に聞くと、大概、何も指示されていないとか、決まっていない。
それで、後になって上が指示しないもないだろう。
結論が出たら、余計な事を言わずに指示だけしろ。
そうしないと部下が困るだろう。
迷わせるだけだ。
やらせてみて、不都合があったらその時注意しろ。
結果が出る前にああだ、こうだいっても聞かないぞ。
大体信頼関係に傷がつく。
駄目だと思ったら、躊躇なく交替させろ。

一番当事者が滅入るのは、言っている事はわかるけど何をしたらいいかわからない時。
それは、やってみないとわからないし、責任者一人ひとりのやり方も考え方も違うので、その場の責任者の指示を尊重する。
明らかにおかしいと思われる指示以外は、なるべく、責任者の意思を尊重する。
それを平時、何も起こっていない時に、繰り返し、目の前でやらせて自信をつけさせ、有事の際や自分がいない時でも迷わないように躾ける。
それが、部下を守る事。
口先で部下を守るなんて言っている奴が、いざとなって部下を守れるはずがない。
最初からそう言う人間は、保身に走っているのだからね。

何度も言うけど、本心から部下を守ろうとする者は、困難な時に遭遇した時、迷わずに、自信をもって判断が出来るように育てている。
それが守るという事。
親はね。子が独り立ちした時、傍にはいてやれない。
野生の鷹は、子が巣立ったら敵とみなして襲い掛かる。それが親の愛なのだ。