何もない。
何でもない。

どんなに大きな家に住んでも。
使い切れない程の金を儲けたとしても。
大喝采を受けても。
大きな仕事を成し遂げても。
どんなに偉くなっても。
大きな組織を動かす身分になったところで。
どれ程、名声が高くなっても。勲章をもらったところで。

たった一人になった時、素の自分になった時。
目の前にいるのは、一人の人間に過ぎない。
鏡の中に映るのは、あるがままの自分の姿。
いいではないか。
あっけらかんとして。
何にもなくてもいいではないか。
なんでもなくてもいいではないか。
何も飾るものもなく。飾る必要もない。
空っぽ。
それでいいではないか。

醜い処だって、綺麗な処だって、好きな処だって、嫌いな処があったって、それがどうした。当たり前じゃあない。

泣いたり、笑ったり。
素裸の自分になって、自分の人生を楽しもうよ。
虚飾なんてかなぐり捨てて。

何もない。何でもない自分。