私は、小学校に上がる前から、人として最低限守らなければならない事と、以下の事を、親から口やかましく躾けられた。

約束は守る。
時間を守る。
任せられた事は、責任を持って最後までやり抜く。
中途半端で投げ出さない。
最後まで見届ける。
後始末、後片付けは、自分でやる。
今日中にやらなければならないことは、今日中にやっておく。
嘘つかない。
言い訳しない。
口答えしない
誤魔化さない。
人の話をよく聞く。
言われてことは正当な理由がない限りやる。

なぜなら、これらは信用に関わる問題で。
信用を失ったら世の中は、成り立たなくなるなら。
信用は、商売の根本。
信用なくして商売は成り立たない。
これは、人として守らなければならないこと。
人倫の道。

会議で決められた事は、約束以上に守らなければならない事。
平気で、決められた事をやってこない。
期日に遅れても悪びれないし、対案を示さない。
厭になったら、罪悪感もなく途中で投げ出す。
最後まで見届けずに、適当、いい加減なところで手を打つ。
自分勝手に決めて。
文句を言うと開きなおる。
後始末、後片付けは、他人任せ。
人の話を聞かないくせに。
自分の話を聞いてくれないと不平ばかり。
時間が来たら、後先考えないで帰宅する。
わからない、できないと認めるのは死ぬほどいや。
根拠なく自分はできると思い込んでいるくせに、いざ、自分がやらなければならないちなると、真っ先に逃げ出す。
他人のアラはよく見える癖に、自分の事は棚に上げる。
自分では何もできない癖に、他人をそそのかして、最後は、裏切る。
強い者に阿るくせに、陰で悪口を言う。

これでは、信頼関係などできるはずがない。
人として最低限守らなければならない事なんだよ。

実務屋にとってできない事やわからない事が恥なのではない。
約束を守らない事が恥なのだ。
一旦、指示されたこと引き受ければ、それは約束をしたのと同じ事。
引き受けた事は、最後まで責任を持ってやり抜く。
言われたことは、記録する。
確認を怠らない。

結婚式の当日にスピーチを依頼するようなことしていないか。
注文も聞かずに料理を作り出していないか。
客の求めているものと違うものを出していながら、図々しく金を請求してないか。
納品が遅れた時、ちゃんとお客様に理由を説明し、謝罪した上で改めていつ納品できるかを提案しているか。「いつわかったんですか」と聞かれるよ。
「何故、わかった時に、すぐに知らせてくれなかったのか」と。

常識がなくなった原因を作った責任は我々にもある。
頭ごなしに抑えつけようとしましたからね。
「目的はなんですか」と聞いた時、「貴様、何様だと思っているんだ」とか、「目的なんてどうでもいい」とか、「目的なんて考えるのは十年早い。言われたことをやっていればいいんだ」と突然怒り出し。
理不尽な理屈を言い出す上司がいたものである。
理不尽な理屈を言い出すのは、自分が目的を理解していないからだ。
自分がわかっていないから、虚勢を張って怒り出す。
自分が理解できないのをごまかすために。

我々の先輩にこの手のわからずやが多くいた。
それで、後輩の多くが、質問するのも恐れるようになり。
聞いてはならない事のように思い込んだ。
自分が、目的を考えなければならない立場になった時、体が震えて考えられない状態に堕ちる。
その結果、何も考えられない、決められない人が増えた。

でもだからと言って許されるわけではない。
そんな言い訳をしても、迷惑をかけられた人には、関係ない。
いつまでも逃げているわけにはいかないんだよ。
始末は自分でつけないとね。