歳を重ねれば、重ねるほど。
未練や後悔、妬み、嫉妬、見栄なんかが、ヘドロやドレーンのように心の底に淀み。
意にそぐわない事やらされた悔しさや。
やり遂げられなかったこと。
やり残したこと。
やりたかったのにできなかったこと。
自分の価値観に反した事を強要され。
抵抗もできず。
いつの間にか、厭な奴に。
自虐的に。

夜、一人、泣いた。
失敗した事。
人を傷つけたこと。
心無い仕打ちに傷ついた事。
恥をかいた事。
馬鹿にされた事。
侮辱されたこと。
罵倒されたこと。
悔しかったこと。
哀しかったこと。
投げ出したこと。
諦めたこと。
失恋した事。
振った事。
失望した事。
絶望した事。
挫折した事。
思い知らされた事。
やりたかった事。
忘れてた事。
忘れたい事。
忘れられない事。
なぜあの時。

その時の思い、わだかまり、モヤモヤした気持ちが、心いっぱいに広がって。
心を支配していく。
恨み辛み、怨念となって渦を巻き。
心を乱して。
悪心を育んでしまう。
意地が悪くなり。
ついつい、人を虐めたくなる。
言い訳したくなる。
聞かれもしないのに、弁解したくなる。
でも、誰も聞いてもくれない。
なぜ、俺だけが…。

苦しみ、悶え、若い頃の純な魂を汚す。
口にも出せない慙愧の念が、己を引き裂き。
かえす刃で若い芽を摘む。
お前だって。

いつの間にか自分も周りの人間も奈落の闇へと引きずり込んでいく。
自分の言った言葉が、心に突き刺さってくる。
わかているんだ。

歳をとるとクドクドと。意固地になって。
頑固になって。
それがまた、悪循環となって、底なし沼に。
何に、誰に言い訳しようとするのか。
若いころの自分に言い訳してもさ。

純なる魂。
今だって、純なる魂はあるさ。
自分を取り戻したものだけが、底なしの闇から抜け出す事ができる。
耳をすませば聞こえてくるだろ。
おまえの魂の叫び声が。

俺たちの人生は、虚しものなのか。
本当に、何もなかったのか。
自分のこれまでの人生を振り返ってみて。
本当に。

ただ、素の自分を。
過ちも、失敗も、醜さも、未練も、後悔も。
何も一切合切、受け入れ。
あの時に帰るしかない。

さあ帰ろうよ。

時の流れがさ。
洗い清めてくれるからさ。
時は、無為自然に流れていく。
自分を信じて。大切にね。
大切にすることさ。
飾らないで。
飾らないで。

お前に俺の悔しさがわかるか。
俺は、幸せで、恵まれている。
でも、この幸せは、多くの英霊達のお陰なのに。
日本人は、それを忘れようとしといる。
なんだかんだ言っても誰一人行動を起こそうとしない。
只々、老いさらばえていく。
老い耄れていく。
それがそれが悔しい。
次の世代になんとしても、なんとしても。

歳をとるのは、仕方がない。
そりゃあ、若いころには戻れないさ。
だからといて、後悔ばかりしていても仕方がない。
大切なのは、若いころの純なる魂をさ。
取り戻すことさ。

何でもないよ。
なんでもない。
時が経てばさ。
夾雑物なんて燃やし尽くしてくれる。
洗い流してくれる。
気がついたら、ただ、一人の裸な自分がいるだけさ。

孔子はさ。六十になって。
やっと他人の意見が素直に聞けるようになったと。
耳順。
まだまだ、道半ばさ。