いいから、いいから。ええわ、ええわの仕事をするなときつく親父や先輩から言われて育った。

いいから、いいから。ええわ、ええわの仕事を覚えるといい加減で、適当な仕事になるぞ。
何事も最初が肝心。出だしをだらしなくするな。
最後は、きちんと締めろ。その日に終わらせなければならない事は、その日のうちに終わらせろ。

確認もせず現場から離れるな。
後始末せずに帰るな。
報告していない事は、していない事。終わっていない事。
相手がわかる様にしろ。
相手が出来るようになるまで詰めろ。
できません。忘れましたは許されないぞ。
皆の生活がかかっているんだ。命に関わっているんだ。それが仕事だ。
最後の確認は自分でしろ。鍵は自分で締めろ。
自分の目で確認しろ。それが責任者の仕事だ。

任せていい事と任せてはならない事を見極めろ。
それが出来なければ一人前ではない。

自分が何をしていいのかわかるまで、詰めろ。
なにをしていいのか、わからないうちに話をやめるな。
怒鳴られようが、喚かれようが、わかるまで食い下がれ。
実際の仕事は、結論が出たところから、更に一歩、二歩、踏み込まないと解らない。
いつまでに、誰が、何をしなければならないのか。ところで自分は何をしたらいいのか。
そこまで踏み込まないと、本当のところはわからない。
指示が出たら、やるべき事の要点をその場で箇条書きに抜き出し、その結果をいつまでに誰に報告したらいいかまでに詰めなければ、やる気がない。
本気でないと叱られた。

それで仕事ができるか。仕事になるかと…。
仕事に着手する前に、抜かりがないか締めろ。
やるべき事を確認せずに仕事を始めるな。
始業点検を忘れるな。手を抜くな。

逆(さか)ねじをするな。
上が指示し、結論が出て、さあこれから、緊張感を高めたのに、間に立った者がダラダラと話をして緊張感を緩めるな。だらけさせるな。
意味もなく、裏で批判したり、反論したり。迎合したり。
それを逆ねじというのだ。逆ねじをされたら、改めて締めなおさなければならなくなる。
締めなおさないと空中分解してしまう。逆ねじをするな。

一流の料理人は、最後の味見は、他人に任せない。最後の確認は、微に入り細にわたる。細かい事をいい加減してはならない。
任せるというのと、丸投げにするというのは意味が違う。
部下を叱る前に、部下が仕事をできるようにしたか、決断できないと嘆く前に上司が決断できるようにしたか。自分のいい加減さ、怠慢を他人の性にするな。自分の為にならない。

生肉を放り出すような仕事はするな。
相手が食べられるようにするのが、料理人だ。
調理もせずにテーブルに放り出すのは、言語道断。
相手が仕事が出来るようにするのが責任者の仕事だ。
なまじ分かったなんて言うな。
何がわかったというんだ。
相手の言っている事がわかったのか。
問題がわかったのか。
何をしたらいいか分かったのか。
わかったというのは、自分が何をすべきかが解った時に使うものだ。

お前に任せるなんてかっこいいこと言うけど。
いい加減にしたいのは、上の人間。
実際に仕事をする人は、細部まで決めておかなければ仕事ができない。
いい加減にされて困るのは、担当者。
締めてかからないと、仕事は、締まらない。

わかってるだろ。
わかってるはずだはないよ。
状況、環境、前提が変わればすべて変わるの。
最後まできちんと詰めなければ、わかるはずないさ。

男は決断する。決断は行動の前にするから決断という。
やってしまってから決断するなんて言うのは言い訳にもならない。
嘘を言うな。出鱈目な事言うな。
結果を見てから決めるなんてできないの。
決断するから結果が期待できる。
男は、決断せずに子を作ってはならない。
欲望に任せて覚悟もないうちに子を作るから、責任が持てなくなる。

今の日本人は、無責任だ。
何故なら、何も決めようとしないからだ。
自分で決めた事でないから、責任が持てないという。
だから、自分のやった事に責任が持てないというの。
責任は持てないけれど、責任がなくなるわけではない。
自分のやった事に責任はとらされる。
だから、日本人は上から下まで無責任になる。
要は責任感が欠如しているだけだ。その内に、誰も、この国に、自分の仕事に、自分のやった事に、自分自身にすら責任が持てなくなる。
責任感がないから何でも言える。
でも、そんな人、信じるに足ると思う。
そんな人生、生きるに値すると思う。
お前、それ私の責任なんて言うけど、自分の人生くらい責任を持て。
責任が持てるように生きろ。