遠く離れれば離れるほど。
成功すればするほど。
何故か。
誰かが、そこに居て待っていてくれる気がして。
帰りたくなる。
そんな処。

会社には、会社の魂がある。
意志がある。
心がある。

経営者の意志でも、魂ではない。
それは、経営者の意志や魂とは、別の独立した命。

お前には、聞こえないか。
笑い声が。
泣き声が。
歌う声が。
ささやきが。
怒鳴り声が。
叫びが。
うめき声が。
いびきが。
ざわめきが。
つぶやきが。

この地の精が寄り集まって。
魂となって、この会社の宿る。
この草薙の地から。
新たな、国造りを始めようよ。

一緒に飛ぼうよ。
力を与えて。

聞こえないか地の底から微かに呻く声が。
戦争でいった英霊たちの声が。
なぜだ。
俺達は、こんな国にするために死んでいったのではない。

我々は何を失い。
何を忘れたのか。
何を取り戻し。
何を思い出さなければならないのか。
明日を信じるためには、それを取り戻さなければ。
それを思い出さなければ。

若者を集め。
若い魂を集め。
純なる魂を集め。
失われた魂を甦らすために。
平安を求め。

何を守らなければならないのか。
今の子は、守られる事ばかり求める。
だから、自分が見えてこない。
自分がわからない。
自分が命を懸けても守らなければならない物を見つけた時。
自分が見えてくる。
守られる事ばかり考えていたら、自分を知ることはできない。

何を守らなければならないのか。
どこにあるのか。
なぜ、私はここにいるのか。
何を、求めているのか。
なぜ、泣いているの。
どこにいるの。

何か聞こえない。
あれは、誰の笑い声。
誰が、叫んでいるの。
なぜ、こんなに涙が出るの。
私は、誰。
ここはどこ。
なぜ、私はここにいるの。
お母さんは、どこにいるの。
お父さんは。
ねえ。

遠く離れれば離れるほど。
成功すればするほど。
忙しい時こそ。
何故か。
誰かが、そこに居て待っていてくれる気がして。
帰りたくなる。
懐かしくて。切なくて。
涙が、ホトホト落ちる。
なぜか暖かくて、ホッとする。
安らげる。
そんな処。
そこには守らなければならないものがある。
守らなければならない事が隠されている。