経営者とか、支店長とか、部門長は、まとめ役だから。
ブレやズレがないかを事前に確認をする必要があるんだよ。
あっているか、いないか。正しいかどうかではなくて。
ズレたり、ブレたりしてないかをね。
確認するのが肝心、要なの。

一人の人間が百人の人間に合わせる事はできないが、百人の人間が一人の人間に合わせることはできない。
だから、トップに合わせる。
トップは、バランサーだから、特定の部分にとらわれると、全体の均衡が失われる。
だから、方向を示して、細部は任せる。

ブレやズレを防ぎ、組織を統制し、まとまりを保つためには、中心に居る人に合わせる必要がある。

中心にいる人は、基準なので安易に批判されたり、逆らうと、全体にブレやズレが生じて、統制が取れなくなる。
中心にいる人がブレてる、ズレてると気がついたら。裏でとやかく言うのではなく。
面と向かって注意する。
それができないのなら、黙って従う。
どちらもできない人は、単に卑劣なだけ。

特に、トップを補佐する者がそれをしたらお終い。
面従腹背なんてもってのほか。
言いたいことがあったら面と向かって諫言する。

俺は、裏で親父に対する批判は、絶対にしないようこころがけた。
言いたいことがあったら、面と向かって言うことにした。
親父も、よく、俺の言うことはよく聞いてくれた。
何も親父のためにしたわけではない。
そうしないと自分が保てないから。
それに裏で言ったことは、いずれは筒抜けになる。
不用意に批判した事が、間違ってトップに伝わると、信頼関係に決定的なダメージを与える。
また、生半可な理解で伝えると、大きなブレやずれが生じる危険性がある。
方針を伝える時は、シッカリと理解してから伝える。
自分が理解しきれない時は、わかている人から伝えてもらう。

方針は、絶対的な事ではない。
一度決めたら、変わらないと言うわけではない。
状況や環境、前提条件の変化によって方針は絶え間なく変わる。
晴れた時を前提とした方針は、雨の日には変わる。
為替が、円高の時と円安の時では、方針は違う。
また、円高に向かっているか、円安に向かっているかによっても方針は変わる。
方針は、全員の行動を変えるのだから、方針の変更は、全員に徹底させる必要がある。
だから、全員が、常に方針を確認しなければならない。
方針が、変更されたら、速やかに責任者は、自分の部下に徹底させる。

そうしないと灯台下暗しになる。

例えば、修学旅行とか、社員旅行とかで、何らかの事情で集合時間を変えたり、集合場所を変えたとして。
その時間や場所が、一人でも伝わっていなければ、その人が間違うのは当然で、その人を責めるわけにはいかない。
責められるべきは、伝えなかった人間で。
これは、会社の方針も然り。
方針の変更は速やかに関係者全員に伝達されなければならない。
ところが、会議で決まった事をいつまでも伝達しなかったり、故意に、時間を遅らせたり、一部の人間にしか伝達しなかったりする例が往々にして見受けられる。

また、保育園で悲惨な事故があった。
しかし、その原因をたどるとそんな馬鹿なと言う簡単なミスである事がわかる。
要は、基本的なミスを怠ったのである。
マスコミの批判がピント外れなのは、マスコミが、物事の本質、基本を理解していないからである。

先ず、七十歳の園長が、運転し、七十歳の派遣の保育士が同乗していた。
七十歳の園長が、こんな基本的な事もできないのかと。
僕に言わせれば、七十の園長だから、このような、事故を起こした。
親父たちが生きていれば、そもそも、七十の園長が、送迎バスの運転削なければならない状態で、その組織は破綻していると言うだろう。
次に、簡単な確認を怠った。
いくら仕組みや、制度を作っても魂を入れなければ、意味がない。

方針や、予算をなぜ決めるかも割っていない人間が、方針や、予算を決めても、無駄なだけ。

親父が生きていたら、園長に、送迎バスなんかを運転させるからだよと、間違いなく言ったね。
親父たちに言わせれば、園長に運転させたからこんなことになったんで。
運転した園長も悪いが、運手させた部下も悪い。
園長は、細々とした雑事まで目が回らないし。
事故を起こした時の重みが番うからね。
園長が、事故なんて起こされたら、取り返すがつかなくなる。

でも皆はどう。
この間、朝礼をリモートでやりたいんですけれど手筈を整えてくださいと言ってきたマネージャがいたけど。
明日、会議なんですけれどどうしましょうて、聞きに来る責任者もいる。
会議の細々とした手筈まで俺にさせる気。
それでは、会議が、うまくいくはずないよね。
それを俺のせいにされてもね。
かといって、一人で抱えあて、人を使えなければ、準備なんてできないよね。
会議をやる日が決まったら、すぐに、部下を集めて、概要と主旨、目的を伝え、その上で、役悪分担を決め、段取りをし、手筈を整える。
一か月に一度の定例会議も、個々の会議の日程は、一か月前に決まるわけではないからね。
普通は、定例会議なんて日程くらい一年も前に決められる。
だから、次回の会議に確認と言っても、次の会議の予定を確認に過ぎない。
実際の準備はもっと前に着手してないと間に合わない。

何をやるか。何をやったらいいかを最初に決める。

ザックバランに皆の意見を聞いて、その上で信頼して任せることだよ。
率直に意見を聞いたら、結構、皆いいことを言うよ。

会議を任されたら、まず自分の部下を集め。
概要と方針、主旨目的を説明し、その上で考えを聞く。
考えと言っても、準備に関して、何をやったらいいか、やるべき事に関してだよ。
賛成か、反対かなんてって聞いているわけではない。
この点を勘違いしないよう。させないよう。
反対意見を聞かないと言っているわけではない。
反対意見を聞く場ではないと言っているだけ。
議論をしたところで意味がない。

何の説明もされず、ただ、会場を手配して、出席者へのあて名書きみたいな事ばかりさせたら、仕事を覚えられないし、信頼関係も築けない。
当然仕事も任せられない。
それで、誰も手伝ってくれないと言ってもね。自業自得。
先ず、方針を伝えないと。
その上で、仕事に着手。
どんなに忙しくても。

責任者は、中心を取らないとね。
組織を纏められないんだよ。

使いぱっしりやお手伝いばかり増やしても。仕事にはならないし、助けにもね。
大切なのは、自分の意をくんで、自分の代わりに仕事をしてくれる人。
じゃないと仕事は足し算にしかならない。掛け算にならないからね。
どうやって自分の分身みたいな人間を増やすかだからさ。

自分が何したいか、どうしたいかをきちんと伝えられないとね。

ハッキリ言てね、親分子分の関係さ。
古今東西、今も昔も、日本だって欧米だって変わらない。
親分の為に子分は命がけで働くし。親分は命がけで子分を守る。
世話もする。一宿一飯の恩というやつね。
恩を忘れたら、犬にも劣るってね。
昔、山岡鉄舟が、清水の次郎長に、
「さぞや。あなたの為に、命を張る子分がたくさんいるんでしょうね。」と聞いたら。
次郎長は、
「私の為に、命を張る子分なんて一人もいませんよ。私が命を棄てられる子分はたくさんいますけどね。」と。
こんな浪花節や、講釈、落語、歌舞伎、義太夫、能なんかで日本人は、生き方を学んできた。
泣いたり笑ったりしてね、作法とか、付き合い方をね。

今の芸人を見ても人生を学ぶ事はできない。

責任の取り方とか、漢気なんかをね。
簡単な事だから難しい。
日本を弱体化した勢力はこういう事を否定してね。
古いとか、封建的なんて言ってね。
日本人が団結されたら困るからよ。
でも俺達は浪花節だよ人生は。

親父は言っていたよ。
自分の部下を、お手伝いに、使いぱっしりにすんなよと。

部下の話を聞いて、大筋で間違っていなければ、部下に任せる。
だから、上司は、方向、つまり、方針を示す。
細目は部下に任せる。
でも決めるのは責任者。これが原則。