始末のつけ方を教えとけ。
始末がつける自信がなかったら、はじめから手を付けるな。
最後まで、やり抜かないで、途中で放り出す奴があるか。
始めたら後戻りはできないぞ。
なまじ、纏め(まとめ)ようなどと思うな。
ぶっ壊すくらいの覚悟でかからないと纏められないぞ。
地獄の窯の底を覗いて来い。
最悪の事態を常に覚悟しろ。
悲観的に準備し、楽観的に判断する。慌てるな。
うまくいってる時はいいが、トップは、最悪の時こそ働かなければならない。
腹を切るのは、お前だ。最後の最後に逃げたら駄目だぞ。
沈む船で最後に下船するのが船長だ。
さもなければ始末がつけられないぞ。
上手くいかなかったとしても、後始末は、当人にやらせろ。
その代わり、最後まで、見届けろ。
当人が決着をつけるまで、手を出しちゃあ駄目だぞ。
責任者は、最後まで見届けろ、始末を確認しなければ土壇場で裏切られるぞ。
止めを刺せ。
失敗した時ほど大切なんだからな。
失敗した時ほど学ぶことが多い。

失敗した時は、いい勉強をさせてもらうと覚悟してかかれ。
始末の悪いのが、一番手に負えないんだ。
支度と後片づけ、道具の手入れができて一人前なんだ。
始末ができない奴は、半人前だと叩き込め。
いつ、その日、その時になるか、誰にもわからないから、常日頃から覚悟しておけ。
さもないと見苦しい振る舞いをする事になる。
それが始末のつけ方だ。

親父は、よく言ってたよ。
何だって始めるのは、簡単だ。難しいのは、始末する事だよ。
皆は、開店や開業の時、大騒ぎするが、実際のところ、難しいのは、商売や事業を軌道になせる事だし、店仕舞いする時や清算する時だ。
開店するのが大変だと言って、死んだ奴の話は聞かないが、商売がうまくいかず、店仕舞いや清算ができなくなって、首を吊った奴は何人も見てきた。
戦争だって、終戦する時を誤れば国を亡ぼす。それに、終戦処理の方が命懸けだ。

最近は、始末の悪い政治家が増えた。
一番、苦し時に、半端なところで、仕事を放りだしって、始末もつけられない。
自分で始末をつける覚悟もないくせに、言いたいことだけ言いやがって。
自分が任されたかぎりは、最後まで始末をつけろというの。

最後の一締めをしっかりするように。
要所を最後にきっちり締めておかないと、ダラダラと緩んでいって、結局、元の木阿弥になる。
止めを刺すようにきっちり決めておかないと、決められなくなるからな。
何かあったら、締めてかかれよ。
すぐに緩むからな。
組織も機構なんだよ。
ちょっと緩めると緩々になって始末が悪くなるかにね。
締め忘れると大惨事を引き起こすからな。
緊張してかかれよ。

決める時には決めるんだよ。
そうしないと決められなくなるからな。
決める寸前まである程度遊びを持たせておく必要があるけど、決めるとなったら勝負に出て一気に決める。
それまで、ハッキリさせるな、言うなと言ってたところを、一転して、ハッキリ言え。
具体的に金額を提示しろ。
名前を上げろになるからな。
そのタイミングを逃すな。

決める時に決めないと始末が悪いぞ。

第一声は、ぼんやり出すな。
要点だけ、かいつまんで、要領よく箇条を上げて報告しろ。
余計な事は言わず、簡潔に、事実だけ述べよ。

非常な時は、即断即行。すぐに、動ける者を特定して指示を出し、必要なら責任者を集めろ。

最初からきつく締めると緊張が持続しなくて、途中で息切れがするからな。
いざという時までは、緩めておけ。
そして、いざという時になったら、一気に締めろ。
さもないと締まらなくなるぞ。
体制が整っていない処を攻められたら、一気に総崩れになる。
いつでも動けるようにしておいて、直前にギュッと締める。
その時は、時間が勝負だから、いつでも即応できるように、態勢だけは整えておけ。

始末は、最初で決まる。最初につく。間違いなく指示しろ。