組織は、生き物である。
組織には、核がある。
組織は、一点より発生する。

最初は、一粒の種である。
一粒の種から、根が生え。芽が出る。

全ては共鳴共感から始まる。
共鳴共感があって、語り合いが始まる。
ある時は、発し。ある時は、受ける。
ある時は、引き合い。ある時は、反発する。
やがって、中心が現れ、光を放つ。
全体は、一点を中心にして渦巻くようになる。
中心は、乾となり、他は従って坤となる。
乾は陽であり。坤は陰である。
組織の原点は、共鳴共感にある。
組織は、対話、会話から始まる。
対話、会話を通じて共有する。
乾は、発し。坤は受ける。受けて、坤は実現する。
坤は、鏡。補佐。陰で働く。

まず、中心を定め。
中心を明らかにする。
中心を保ち。
中心を守る。

中心が定まらなければ、動き出した、傍(そば)から分解する。
中心を見失うと人々は、自分がどこにいるのかもわからなくなり。
進むべき方向を見失う。
中枢、核心が破壊されると組織は死ぬ。

へぼ将棋、王より飛車をかわいがりと揶揄された。
中心はすべての資源である。
中心を破壊されたら、再興は難しいが。
中心が一部でも残れば、再生も可能である。

中心を定めて、中心に合わせる。

中心が定まり、明らかになったら、周りを囲む者は、中心に向かって練り込み、結束する。
中心の考えや志を理解し、自分のものにする。
自分の限界を知り、手分けをして、足元を固める。
そして、速やかに行動に移す。
なぜなら、始まりであって終わりではないからである。

中心のはっきりしない組織は統制を失う。
指示・命令、報告によって触手を伸ばす。
指示、命令、報告が通じる事で、命令系統は形成される。
指示・命令系統は繰り返し伝えられることで強化される。

血の通った組織にする必要がある。
指先に、針が刺さっても痛いと感じるようにしておく必要がある。
焼けた鉄板に、手を置いたら条件反射で、熱いと感じなければ、大火傷をするのである。
そのためには、全身に神経を張り巡らし、中心につないでおく必要がある。

中核は、触手を伸ばして他の核とつなぎ、軸を作る。
一本の軸を選んで太くし中軸とする。
中軸が固まれば、枝葉を伸ばす。

筋が通れば組織は安定する。
筋が通らなければ傾く。
一本筋が通れば中枢となる。

指示・命令は獣道みたいなもの。
指示・命令が繰り返されると通じる。
指示・命令が通じると、正規の組織のルートでなくとも、道ができてしまう。

集まれ、整列、起立、礼、着席、進め、止まれ。
簡単で拒否できない、指示、命令、号令で道筋を作る。
フォーマルな制度で、骨格、形を作る。
組織の形は後からできる。

組織の源は人と人の絆にある。
形にこだわることはない。
二人よれば自ずと組織は生まれる。
一が二となり、三となる。
最初に築かれた力関係、考え方がその後の組織の方向性を定める。
その時の一致点が、暗黙の全員一致、契約なのである。

人と人が出会って組織は生まれる。
その意味で、家族は、組織の淵源である。
男と女、女と男が出会って、組織の源が生じる。
やがて子が生まれて、組織の原型が形作られる。
男と女の関係から、夫婦の関係が生じる。
子が生まれて、親子の関係が生じ、家族という組織が形作られる。
組織の根本は、人と人の出会い。思い。

忘れるな、組織は、利害得失だけでは生まれない。

はじめは何もかも混沌としている。
得体のしれない無分別な存在である。
そこから、分別が生じ、全体から部分が生まれる。
その時、絶対は隠れる。
一は二となり、三となる。

気が集まり、凝縮されて一つの意志となる。
意志は、一人の指導者に宿る。
意志は形を表す。
それが組織の始まりである。

形は、組織を整え、恒久的のものにする。
形がなければ、組織は混とんとし、無秩序なままだ。
それでは、組織を、制御する事も統制をとることもできない。
だから、形を作り、組織を制御する。
言わば、形は器である。
電気も、ガスも、石油も器がなければ、制御する事はできない。
単なる、危険物である。
器があってはじめて、盛り、貯え、溜める事ができる。
仕組みができて、有効活用ができる。

形は、目的に応じて作られる。
組織には、目的がある。目的は使命である。
組織は、合目的的な存在である。

組織には、全体と部分がある。
指導者は、全ての人に合わせる事はできないが、皆は、一人の指導者に合わせる事はできる。
状況は、絶え間なく変化(へんげ)し定まらない。
故に組織は、人で統一する。

組織というと部門とか、課長とか、形式に囚われがちだが。
形より先に働きがある。
中心が定まったら、副を作る。
組織は、一人ではできない。
つまり二人目である。二番目。
二番目の役割は、中心を映す鏡。
補佐役。
交替。代理。

全体は一つ。
故に、中心も一つ。
一人の呼びかけに、同志が呼応し、人が集まる、結束する。
中心の求心力によって組織の強度は定まる。
組織の力の源は、結束力、団結力にある。

国家の本質は、国防と治安にある。
国家の独立と主権は、国防と治安によって守られているからである。
義を唱える者は自衛せよ。
自分で自分を守れぬものに正義も自由もない。

真の自由は家畜の自由ではない。家畜自由なんてない。
あるのは隷属である。
忘れてはならない、革命も独立も、暴力によって成就したことを。
民主主義こそ革命なのだ。

形は、組織の力を強化し、拡大する。
形が整えられると、形自体が、固有の働きをするようになる。

自動車は、仕組み、道具である。
使い方によって利器にも凶器にもなる。
自動車を、利器とするか、凶器とするか、自動車が決めるわけではない。
使う者が決めるのである。
組織は、利器にも凶器にもなる。
組織が、暴走し、人に危害を加えたとしても、それは、組織が悪いわけではなく。
人が悪いのである。
組織は生物である。

組織は、成長し、成熟してくると形の力の方が、個々の人の働きより強くなる。
ある程度、組織が大きくなったら、組織は、形の力を頼らなければ制御できなくなる。
形の力が強くなりすぎると、組織は形骸化し、硬直化する。

組織の形は、形だけでも機能するようになる。
首を切り離された蝮が喰いつたり、胴が動くことがあるように。
軍のような組織は、下級将校でも軍の一部を動かすことができるように。

それは、形が、固有の力を発揮するからである。
この点は、十分注意しないと、全体としての統制が失われる。

組織から、中心が失われ、形による働きによって維持しようとすると、組織は、形骸化する。
魂の抜けた肉体は、屍に過ぎない。
醜いだけで、腐敗する。

組織には、自然治癒力がある。
組織に穴が開いたり、傷つくと周辺の細胞が穴や傷口を塞ぐように、組織にも自然治癒力がある。
組織も老朽化、形骸化すると自然治癒力が失われる。