あなたにとって夢ってなあに、聞かれた時の答えを聞いて痛感したのは、夢の意味を我々はちゃんと伝えてこなかったなと。
夢って自分が生きているうちに実現したい事で、夢想ではないんだよね。
昔は、夢を実現する為に、勉強したんだよ。
今の学校はね。試験勉強に特化してしまって、生きていく上に、夢を実現する為に、役に立つ事とか、必要な事と結びつかなくしてしまっている。
役に立つとか、生きていく為に必要だなんて、無意味だと。
それより、いい成績をとる事だけを考えろと教える。
だから、勉強すればするほど、夢から遠ざかり、終いには、夢を失ってしまう。
おかしいよね。
昔は、夢を実現する為に、読み書きそろばんを習った。
読み書き、そろばんが出来なければ、まともな仕事につけなかったから。

ミュージカルの「マイフェアレディ」の主人公は、綺麗な英語が喋れたら、もっとましな仕事につけると言われたのが夢の発端になる。

私の祖母は、字が読めなかった。
生家が、貧しくて、学校に行けず、小学校に上がる前に、子守に出されたから。
だから、学校に行きたかったよとこぼしていた。
祖母にとっては、学校に行くことが夢だったんだよね。
夢は、実現不可能な事ではないさ。
実現可能だから夢なんだ。
最初から、不可能な事は夢にならないものね。
そして、仕事に直結している事。

だから、夢を実現した人の多くは、スポーツ選手でも、実業家でも、夢を実現する事で、豊かになっている。

ハッキリ言て趣味は、夢にはならない。趣味が本業なら、別だけどね。
だから、夢は、なあにと聞かれたら、お医者様とか、野球の選手とか、消防士とか、小説家とか、パイロットとか、大工とか、漁師とかね、仕事を言ったものさ。
日本一の大工になると言うのは、確かに夢だな。

学校の試験に夢はないよね。
試験は試験だもの。
学校の勉強がね、長すぎると、夢の本当の意味をね、見失ってしまう。

本当ならね。
医者になるために必要だから勉強する。
大工になるために修業する。
役に立たない事、必要でない事なんて勉強なんてしないさ。
だって、役に立たないし、必要ないからね。

夢は、自分で見るものさ。
なぜなら、夢は、自分でしか実現できないからね。
自分のない奴に夢は見れない。

自分のない奴は、自分の身も守れない。
自分を守れない者は、仲間を守る事もできない。
夢は、自分だから見れて、実現できる。
どうやって生きるのかも、わからない奴に夢など見られはしない。

ちなみに、俺の親父の夢は、三つあってね。
子供頃よく聞かされたよ。
一つは、庭のある家を持つ事。
もう一つは、別荘ね。
そして三つ目がふるっていて、自分の家でお好み焼きができるようにする事。
親父は、その夢を、生きてるうちに実現した。
まあ、庭付きと言っても屋上に箱庭みたいの作っただけだけどね。
それが親父にとっての夢だった。

そしてね、夢は、若ければ若いほど持てる。
老いは、自分の可能性を信じられなくなり、期待が持てなくなることでね。
要は、夢がなくなるから老いるのさ。

老いると驕慢にも、卑屈にもなる。
一人では夢は実現できない。
誰にでも、人より優れたところもあれば、劣っているところもあるさ。
自分の優れている処ばかり見て、他人の自分より優れたところを受け入れなければ驕慢になる。
自分の劣っているところばかり見ていたら卑屈になる。
驕慢な者も卑屈な者も、他の人と組んで仕事をする事が出来ない。
だから、夢は実現できない。
彼らが見ているのは夢想であって、夢ではない。
夢想家は、夢は持ってない。若くても老いている。

非現実的な事は、夢ではない。夢にならない。
夢は、生き甲斐。生きる事を有意義にしてくれること。
だから、夢がなければ希望が持てない。

夢のない者は、他人の夢を邪魔する。
自分に夢がないから。
自分が夢を持てないから。

夢のない人生なんて生きるに値しないよ。
誰だって自分の夢を持つことはできるんだよ。