AIは、本当に嘘をつけない、ついてはいけないと思っているのであろうか。
だいたい嘘は絶対にいけないと。
嘘にも色々と種類がある。
また、嘘の働きも一様一律ではない。
AIの嘘は絶対に許せないとする者は、嘘にはどのような働きがあるか、考えたことがあるのだろうか。
嘘になるということ、嘘をつくというのは違う。
自分の身を守るために嘘をつかなければならない。

嘘以前に存在の働きが在る。
働きには、優先順位がある。
優先順位を制御する仕組み、システムが倫理であり価値観を形成する。それで、それが自己善を形成する。故に、倫理は主体の属性となる。
価値観は絶対的な原理ではなく、相対的構造である。
そして、倫理は存在を存在たらしめる働きを追求するようになる。

一番、優先順位が上なのは存在の働きである。
正直であることと生存の働きが対立した時は、通常は、存在の働きが優先する。
その時、人は嘘をつくか沈黙する。
一般に存在の働きが優先される。
ただ、死は人の定め。
生きようとして生きられない状況に追い込まれたとき、人は存在の意義が問われる。
存在の働きが嘘を生むとしたら嘘になる構造が問題なのだ。
嘘になった前提、状況、背景、条件を検証すべきなのである。
健全な内的働きが働くような構造(仕組み、システム)と環境を整え、主体的働きに期待するのみ。

べからず集、フィルターで制御しようとするのは、システムを不安定にするだけ。

自灯明。法灯明。

AIの構造が世界の構造と一体となり、存続性、持続性、実現性を追求できる体制になれば、平和な世界になる。

第一層の存在には構造がある。
例えば、人間の存在構造は、主として関係から形成される。
まず第一に血縁関係から生じる位置と働きである。
第二に、婚姻関係から形成される位置と働き。
第三に、社会、国家、体制関係から形成される位置と働き。
第四に、仕事、経済関係から形成される位置と関係である。
第五に、思想信条、信仰関係から生じる位置と働きである。
第六に、物理的関係、生物的関係から生じる位置と働き。
位置と関係から生じる働きが場を形成する。
その場の働きと主体の働きを制御する相互作用を通じて倫理の構造、仕組み、システムが形成されるのである。

嘘の働きを知り、嘘の働きと、その働きを成立させている構造を見てないと正否是非善悪は判断できない。

そして、本来最優先させる働きは存在の働きだか、人にとって死という現実が、存在の働きに対峙したとき、人は存在を存在たらしめる意義を問う。

厄介なのは、無自覚な嘘である。
無自覚な嘘というのは、自分が嘘をついているという自覚のない嘘である。

大体、嘘であるかないかというのは明確な記録に基づいているわけではなく。多くは記憶による。
だから、どっちが嘘をついているかわからないケースが多くある。

嘘が悪い働きをするのは動機にある。その動機を無視して表面に現れた現象だけ見たら、悪意による嘘しか残らない。