「お金」の流れ(太極)から両儀、収入(陰)と支出(陽)生じる。

「お金」の流れ(太極)から両儀、収入(陰)と支出(陽)生じる。

現在の経済は一般に貨幣経済である。
貨幣経済の原則は単純である。
つまり収入と支出を均衡するように設定する。

収入と支出は「お金」の流れから派生する双方向の不離不可分の働き。
収入は、他方の支出。支出は、他者の収入。
つまり、収入は支出であり。
支出は収入である。

売上は入金、出庫。仕入は、出金、入庫。
借りは入金、債務。貸しは、出金、債権。

収入で貯え、支出で放出する。
収入で準備し、支出で発揮する。
収入で補充し、支出で欠く。
収入で入り、支出で出る。
収入で入力、支出で出力。
収入で入金し、支出で出金する。

収入は働きに応じ、支出は必要に応じる。
これだけである。これだけだから、難しいのである。

何故なら、収入の元となる働きも、支出の元となる必要性も、基準が多様である上に、基準の基礎となるのが思想だからである。
収入の測る基準は、収入の働きに基づく。
では、収入にはどのような働きがあるか。

収入の働きには

  • 対価.
  • 報酬
  • 生活費(生計)の原資
  • 人件費。費用としての働き。
  • 支払準備する。
  • 分配を受ける。

対価と報酬では働きが違う。

対価とは、働きに対する代償を意味する。
働き、成果に対する代償である。
つまり、対価は働きの対極に成果、生産物が対置される。

報酬は、所得であり、所得から税とか社会保険などの公的支出が供出される。
報酬には評価が伴う。報酬は成果だけを基準にされる訳ではない。
技術や資格、権利などの属人的な要素が加味される。

人件費は、雇い主、企業から見ると支払い。
収益の範囲で支払われる。
ここが重要なので、収入の上限を制約する。
費用とは、人件費が形を変えたもの言える。原材料費も人件費が姿を変えた物で、要するに、費用は人件費に、置き換える事ができ、人件費だから分配となる。つまり人件費は、分配の要の働きをしている。
費用を無原則に削減すると分配の機能が働かなくなる。

また、収入の基準を難しくしている要因の一つに、収入源と支出源が一対一ではないと言う事もある。

収入と支出の消費側の単位の一つ生計である。
生計を一にする。
生計とは家計を意味する。
家計は世帯、家族を基本単位とする。
家計、世帯は、個人の集合ではあるが。
家族全員が働いて収入を得ているわけではない。
家族の中で働いて収入を得られるものは限られている。

故に収入源は独りとは限らない上に支出も一人の為とは限らない。

働きが、収入や報酬と結びついているとは限らないこと。
場合によって支出と結びついていることもある。
つまり、収入にも結び付かない働き、労働もある。
収入と結びついていないからと言って価値がないわけではなく。
収入と結びついている働きと同等、あるいは、以上の働きもある。 例えば、出産、育児、家事、家計などである。

収入と支出は同じ流れの働きだか、働きは非対称。
収入と支出の働きを切り離すことはできない。
収入と支出の働きは非対称、違うから切り離して考えたらいいというのは、危険な発想である。
なぜなら、収入と支出は同一の「お金」の流れから派生した働き。
「お金」の流れを共有しているからである。

税と給付を切り離すのは危険である。なぜなら、同じ「お金」の流れを共有しているからである。

また、「お金」は、循環する事で効用を発揮する。
収入と支出を切り離す事はこの流れを断ち切ること意味する。
金融や政府は、「お金」を製造できるのだから、収入はなくし給付だけにという乱暴な理論があるが、「お金」の働きに対する間違った認識による。
収入と支出の関係を断ち切ったら「お金」は循環できなくなり、制御不能に陥る。
「お金」は交換という働きが総てではない。

何故、収入と支出という一対の働きを必要とするかというと、「お金」の働きは、「お金」の流れによるからで、その為に、「お金」の流れを作らなければならないからである。
また、「お金」を循環させる必要もある。その為には入と出が一対でなければならない。

つまり、収入の働きと支出の働きのどの部分が表裏として結びついているか。
連動しているか。
例えば、家計の購買行動は、企業の売上になり、それが人件費として家計に供給される。
家計の支出が企業の収入になり、その収入から家計に対する支出、そして、家計の収入となる。
この流れ、この循環を形成するためには、収入と支出は一対の働きでないと成り立たない。

収入と支出は、本をただすと同じ動きだと言うことですね。
この点が重要なのです。
入と出によって経済主体は動かされているわけですが。
根本は一なんです。
一つの動きが一方は入りでもう一方は出という働きになりそれが二つの対象を結びつけている。これが作用反作用になるわけで。
義務と権利、責任と権限という対の働きとなる。

収入と支出は、同じ運動量の運動から派生する働きである。
故に、収入と支出は均衡に向かう。均衡しようとする働きが経済を動かしている。
収支残高の拡大が経済の仕組みの歪を拡大する。

例えば、売買というのは、買い手から売り手へ流れる一つの「お金」の流れから派生する働きで、買い手は支出として働き、売り手は収入として働く。
そして、同じ経済的価値を持つ物や用役が売り手から買い手に流れる事で一つの取引は完結する。
つまり、取引の経済的価値は、零和で完結する。
等価交換を意味する。

利益は内部取引で派生する概念で内部取引はゼロ和でなくていい。つまり収支が一致しなくていい。特に内部取引は時間差が重要になります。

仕入れと売上が好例

売上は、利益と費用の差。これが内部取引。粗利益は売上と仕入れの差。
売買という取引によって売り手と買い手の関係と働きが同時に作られる。故に表裏の関係が重要になる。

家計、企業、財政、金融、海外交易のすべての各部門は、収入と支出によって動いている。
生産、分配、消費を循環する事で動かされている、
家計、企業、財政、金融、海外交易を循環することで動いている。

もっと抜本的な事は、構造的な事。
それは、経済というシステムをどこまで理解しているか。

例えば、会計という事。
家計、企業、財政、金融、経常収支、各部門すべて、会計の仕組みが違う。
同じ赤字でも、部門によって意味も働きも違う。
同じ尺度では語れない。

分業が深化すると生活の場と生産の場は分離する。
市場は生産と消費の場が分離することによって生じた分配の場である。

生産の場は、職場、仕事の場。
消費は、生活の場。

消費経済の確立

不易、変易、簡易。
変化が少なく、確実な事を基礎に考察すべきなのである。
その意味では経済は、消費を基礎にすべきなのである。
消費には一定の周期の波動がある。
それに対し、生産は不安定、不確実である。
支出は固定的、一定している。それに対し、収入は不安定、不確実。
収入を支出に合わせて整流するのが分配主体(主として生産主体、企業)と金融である。

現代の経済は、生産ありき、収入ありきで、不安定生産に消費、不確実な収入に支出を合わせようとするから歪むのである。また、生産も収入も過剰になるのである。

経済を安定させるためには、消費経済を確立する。
本来経済は生産と消費が両輪でそれを繋ぐ車軸が分配である。
今の経済は生産だけの片輪ですね。だからバランスが悪い。
そして、消費は、支出、つまり非貨幣経済。

消費とは支出であり、使い道である。

消費を考える事は、人生設計をする事である。
消費経済の基本は、ファイナンシャルプランであり、人生設計である。
人生のその時々の支出にあわせて収入を調節する事である。

そのために活用するのが貯蓄と借金である。
そして、借金を可能とするのが、定職、定収で。定職、定収が個人のファインアスを可能とした。

また、企業は、生産局面、消費局面、両面で、収支の整流をしている。
つまり、企業は、「お金」の流れの整流器の働きをしている。

生産が正なら、消費は負。
要は、消費経済は金融に反映される。
ただ、陰陽では収入は陰で支出は陽。
資産、費用は支出で陽。負債、資本、収益は収入で陰。
損益は表で陽。貸借は裏で陰。

備えておくべき事。

経済の先行きを予測し分析する前に場合わけをしておく必要がある。
持続可能か、どうか。
持続可能なだとした場合、どのような前提があるか。
対策を取る必要があるか。
持続不可能な場合、どのような形で破綻するか。
破綻したあと、どのような事態が想定されるか。

現在の経済状態は、最悪の事態も想定せざるを得ない。
想定される最悪の事態は。

  • 貨幣制度機能しなくなる。
  • ハイパーインフレーション
  • 財政破綻
  • 金融危機・金融破綻
  • 物流破綻
  • スタグフレーション
  • 恐慌
  • 物不足
  • エネルギー危機
  • 戦争
  • 内乱・革命
  • 災害・事故

現在の経済情勢は、見せかけの弥縫策では乗り越えられない。
打つ手は限られている。しかも、間違えは許されない。

物価が上昇したから、減税したり、給付を増やすというのは物価対策にはならない。

歪が大きすぎる。極限まで来ている。時間がない。
この三点を前提とし。

この様な事態を切り抜けるためには。
明確な対策を持っているか。
リードできる指導者がいるか。
の二点が鍵を握っている。

この二点が満たされていない時は、最悪な事態を想定しなければならない。