いよいよ、世界経済に着手します。
経済は、すべての国が、助け合い、補完し合う事で成り立っている。
均衡が崩れると争いが生じる。
争うによって均衡が破れる。
経済の仕組みは、「お金」を循環させる装置。
個々の国の「お金」の循環と貿易収支と資本収支、物と「お金」の交易の依って世界市場は、大回転する。
原動力は、「お金」、人、物の過不足。生活水準、所得水準、物価水準の差。収支と支出。貸し借り。
アメリカの経常収支が歪むのは、ドルが基軸通貨である事に由来する。
市場の「お金」の流れには、短期的循環(売買、陽)の長期的循環(貸借、陰)の二つの循環がある。
市場取引の取引量の総和は、ゼロになる。
貸借(資本)の循環、損益(収支)の循環でもある。
物価の上昇の循環。
市場の拡大→企業収益の上昇→所得の上昇→価格(物価)の上昇。
市場の縮小→物価の上昇→所得の上昇→企業収益の上昇。
収益(売上)は数量かける価格だから。
市場が拡大している時は、価格は上がらなくても売上が上がり、賃金(所得)が上げられる。
市場が縮小している時は値上げをしても、売上が抑制されるから、賃金(所得)を上げられない。
易(経済)には、太極(市場)あり。
太極(市場)から、両義(収入と支出、収支、経常収支と資本収支)生じる。
両義から四象(家計、企業、財政、金融)が生じる。
四象から八卦生じる。
八卦は、各部門の収入と支出、収支、損益と貸借。
「お金」は、名目的価値、交換価値だから、実体と結びつけないで配分すると、経済の仕組みの中を循環しなくなる。
ベーシックインカムでは、「お金」が循環しなくなる。
企業と政府(財政)は、生産主体であると同時に、分配主体であり、収支、「お金」の流れの整流装置である。
労働と評価、所得を組織的に関連付けることが可能となった。
また、生活と所得とを直接的に結びつけた。
企業は、内的循環、一物二気。
財政は、外的循環、外的対峙。
企業の整流というのは不確実な収入を安定的支出に整流するという意味で。
この事で家計の固定収入が確保され、借入金を可能とし、還流させる事で売上も安定させる働きがある。
定収化が経済にとって重要な意味がある。
定収化の背景には、定職、サラリーマン化がある。
収入が定収化することで、生活水準の安定、生活の計画化、長期的な人生設計、貯金や借金が可能となり、景気を安定化した。
企業は、所得の平準化、標準化した。
また、分配で重要なのは、雇用制度や給与体系、労働条件など。
市場というのは、所得と支出が交錯する場でもある。
企業の働きは収益と費用(所得)、収入と支出の均衡を意味する。
適正な価格とは何か。
ここに重大な秘密が隠されている。
コスト、パフォーマンスである。ただ、この事を指摘する者はあまりいない。
重要なのは、市場の前提条件で、産業や業態ごとに固有の条件があり、これが経済の変化に決定的な影響を与えている。
産業の前提条件は商品特性に依拠している。
市場の構造、特に「お金」の循環構造は、貸借(長期的働き)と損益(短期的働き)による二重構造になっている。
現代経済の最大の問題は、成長を前提としている事にある。
飛行機であれば、離陸だけを前提としているようなものである。しかし、飛行機は離陸だけが問題なのではなく、巡航、着陸もあり、離陸というのは極めて短く、しかも、特殊な状態なのである。
市場の前提条件は、発展段階によっても、或いは、歴史的変化、地理的変化によって変わる。
その変化によって、産業も変化し、雇用条件も変わる。
市場は、単純に一方向に働いているわけではなく。ジグモイド関数、ロジスティクス曲線などの変化もある。
年功序列型の給与体系は、高度成長時代には一定の効果があったが、低成長、少子高齢化時代には、費用対効果の整合性が失われた。
また、退職金も幾何級数的に拡大するため、低成長時代には負担が大きくなりすぎる。
人は老いる。老いは、残酷であり、若い時のように働けない。
新しい事や変化を受け入れられない。
当然、経済的効用も低下する。
働きと対価とが乖離する。
年相応の働き方、年齢と労働、報酬の不整合が生じる。
退職金も企業年金も、将来の対価が期待できず、一方的に、企業の負担となる。
退職金や年金は、過去の実績を、根拠とし、社会思想、価値観の問題で、所得の再分配としてとらえ、企業の働きとは切り離して考えるべきことである。
経済の前提、環境の変化にそって制度が変更できるような仕組みにしておく必要がある。